君は素直すぎるから いつもだまされてばかり@ハッピーデイ
(UP時点では過ぎちゃったけど)ハッピーバースデイ、マサムネ!
練馬区立美術館で石田徹也展を見た。「飛べなくなった人」の悲しいのにうっすら幸せそうにも見えるあのまなざしを生で見ることができて幸せだ。正直いって、最初のころはあのメッセージ性があざといようにも思えたものだ。それが、画家自身の早逝によってさらに強調されたように思えて、ほんとうのところはどうなのか知りたくて、特に「飛べなくなった人」と「体液」は見たいなとずっと思っていたのだ。実際、彼の目はほんとうはどこを見ていたんだろう。よくわからないままだ。大雑把にいって1999年以降、画材は変わり、絵は「うまく」なり、画面構成は複雑になったのに、共感の落としどころは難しくなっていって、鑑賞者は孤独なまま置き去りにされてしまったように思える。うまくいえないが。だから後期の作品を見た後は、最初の頃のシンプルなメッセージ性がむしろ好きになった。きっと思ったより素直な人だったんだろう。
夜想ヴィクトリアン展トークショー「中井英夫の魅力を語る」@パラボリカビスに参加。「幽」東雅夫氏と「夜想」今野裕一氏の対談。短歌の評論で知った中井英夫と編集者として直接接触が会った方々の生のお話なので楽しみだった。偉大な作家とか歌人とかは、歴史上の人みたいに遠い存在だとつい思ってしまいがちなのだが、こうして実際に話をしたことのある方々を目の前にすると、急に身近に感じられる。今野氏が語った「(シャンソンのレコードを聞かせた後で)庭の白バラを10分間めでて裏木戸から出て行け」と言われたエピソードはかなりぐっときた。そういう伝説っぽいのってステキじゃないですか。野良猫の出没地点まで知っているほど地域に対する愛着があるのに、結局はアウトサイダーでしかいられなかったこととか、他のエピソードからはちょっと物悲しい中井像が浮んできたりもしたが自分の目の確かさに対する自信に支えられ続けた物書きのかっこよさは十分に感じられた。
テレビ版ぷちぷち短歌で穂村先生の美声を聞いていたら(というか、いちおう投稿してみたので見続けていたら)寝そびれた。相変わらずほむほむの読みの鋭さが気持ちよい。なんであんなに言葉で説明するのが上手なのであろうか。ウットリ。東直子さんも鋭い解説でよかった。「僕の死ぬ季節」の歌、あの番組であのような(芸術性の高い)歌をとっさに取り上げるセンスに惚れ惚れする。どきっとするもん。個人的には中井の評論から受けた影響が実作に生かされなくて、たいへんもどかしかったな。
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